今回は和田秀樹著のストレスの9割は「脳の錯覚」です
著者は精神科医。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー等を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)、川崎幸病院精神科顧問、和田秀樹こころと体のクリニック院長
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なるほどポイント
- 日本人は「疑う力」が欠けている。その原因とは
- うつ病になる「不適応思考」の正体
- 不適応思考に対する解決策
日本人は「疑う力」が欠けている。その原因とは
日本人は学校の「刷り込み教育」の影響で疑う習慣が少ないです。一方、アメリカでは学校で思考トレーニングを行っているので論理的思考を養えています。これは日本で決まった答えを早く出す教育を行っているのが根本的な原因です
疑うことをしないということは一度思い込んでしまうと抜け出せなくなるということです。例えばワクチンは身体に悪いと思ってる人は余程のことがなければワクチン接種しないでしょう
これに似た思い込みで「コレステロール」の話が本書で出てきます。コレステロールを下げると脂質異常症が改善されることが分かっています。なのでコレステロール=悪という思い込みが発生し、不必要に下げることが問題になっています
これも日本と米国で対比してみると日本は「コレステロール↓心筋梗塞↓がん↑」米国は「コレステロール↑、心筋梗塞↑がん↓」となっています。以外にも心筋梗塞とがんは負の相関関係となっているようです。これに対し著者は免疫↓が関係していると主張します。まだまだ関係性の解明は出来ていませんが、無関係ではないかなと思います
うつ病になる「不適応思考」の正体
不適応思考とは「完璧主義・こうあるべき」という考え方が根底にあります。皆さんもまじめな人ほどうつ病になりやすいと聞いたことがあるかと思います。白黒はっきりさせようとすると心が疲れてしまうんです
不適応思考はうつ病だけでなく「認知症の進行」も早めるという研究結果も出ているようです。高齢者が新しい事を始められなかったり、頑固なのもこうした認知のゆがみが関係しているようです
不適応思考に対する解決策
不適応思考はまず「自覚・自省」することが大切なようです。またやってしまったと自覚することによって自分を客観的に見ることが出来るようです。そして「曖昧さ」を受け入れることも大切です
上にも書きましたが白か黒かの2択にこだわり過ぎているから不適応思考に陥りやすくなるのです。ケースバイケースとか人によるとか逃げ道を作っても良いと思います
あとは「ぶっ飛んだ人の考えに触れる」というのも大切です。昔は本を読むか実際に会って話すくらいしか選択肢がありませんでした。でも今はSNSやyoutubeでも気軽に人と繋がることが出来ます。極端な意見に触れることで自分の考えを客観的に見る機会となります
勿論、繋がりやすくなったせいで陰謀論にハマってしまった人もいると思います。結局判断をするのは自分自身なのだから、なるべく柔軟な思考を持つことが良いのではないでしょうか
いかがでしたでしょうか。今回は私が受験勉強の際にお世話になった和田秀樹先生の書籍を紹介しました。様々な理由から精神的に病んでしまう人が多い世の中です。本書ではそのメカニズムであったり、対策が多く紹介されていますので気になった方は読んでみてください。それでは。