今回は桐生正幸著のカスハラの犯罪心理学です
本書では犯罪心理学に精通している著者がカスハラについて解説されています。私が本書を知ったのがサトマイさんのyoutubeで紹介されたのがきっかけです。私自身も薬局で働いていてカスハラと思うような理不尽な叱責を受けたことがあります。なので本書で紹介されているカスハラ加害者の特徴には凄く共感しました
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なるほどポイント
- 犯罪は無規則に発生するのではなく〇と×が揃うことで起きる
- カスハラ加害者で現れる性差の特徴とは…
- 日本と欧米でのクレーム対応に対する考え方の違い
犯罪は無規則に発生するのではなく〇と×が揃うことで起きる
犯罪は無規則に起こるのではなく「条件」「環境」が揃うことが起きるようです。例えばレイプ犯は性欲のままに女性を襲うわけではありません。女性を観察して「おとなしそうで警察に届け出を出せなさそうな」女性を選んでいるようです
これはカスハラ加害者についても同じ事が言えるようです。加害者はスタッフの反応などを観察して、攻撃対象にするかどうか見定めているようです。なので加害者はむしろ「コミュ力が高い」方が多いようです
ちなみに「カスハラと苦情の線引き」はとても難しいです。店側が明らかに悪いケースもあります。だからストレスの発散場所としてカスハラが行われるわけです。私も理不尽なクレームを受けたことが何度もあります。その度に心が削られました
カスハラ加害者で現れる性差の特徴とは…
カスハラ加害者の特徴も性差が見えるようです。男性は一般的に「論理」、女性は「感情」を重視する傾向があります
・カスハラ加害者男性:年齢が45歳以上、「店員のミス」に対して「高圧的」に反応することが多い、「上層部から謝罪を受ける」事が多い
・カスハラ加害者女性:年齢が45歳未満、「商品の欠陥」に対して「淡々と苦情」を言うことが多い、「商品の返品・返金を受ける」事が多い
以上のような性差があるようです。私も女性のクレーマーで店舗先で騒いでいる人はあまり見たことがないですね。冷静に詰めるような言い方をしてくる人が多いような気がします。逆に男性はすぐに怒鳴りますね
本書では上記のようなカスハラ加害者によくある特徴などがわかりやすく紹介されています。気になった方は本書を読んでみてください
日本と欧米でのクレーム対応に対する考え方の違い
クレーム対応についても国民性というか国ごとで違うようです。アメリカは訴訟社会というのは知られているかと思います。なので返品や返金はすぐに対応してくれるケースがほとんどのようです
私もAmazonで買い物して不良品があった時にすぐ対応してくれました。そして不良品と交換するのでなく、新しい商品がすぐに発送されてきました。ちなみに不良品は処分してくださいとのことでした
勿論、日本が返品・返金対応を渋るとかそういう訳ではなく欧米では「クレーム対応のコスト削減に重きを置いている」ということだと思います。日本のカスハラ被害は大手チェーンだけでなく個人商店なども対象なので対応がオーナー次第だったりもします。カスハラ被害を受ければスタッフの労働力が削られ、企業に相当な痛手となります。企業としてはスタッフをカスハラから守る施策を打ち、カスハラによる被害を最小限にすることが求められると思います
いかがでしたでしょうか。本書ではカスハラ加害者の特徴から対策まで幅広く紹介されています。カスハラに関しては徐々に法改正も進んできているので認識も昔とは異なってきていると思います。我々ができることはカスハラはいけないと声を上げてスタッフの身を守ることでしょう。そのバイブルとして本書はおすすめですので、気になった方は是非読んでみてください。それでは。