今回は和田秀樹著の「思考の老化」をどう防ぐかです
著者は1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医。国際医療福祉大学教授。ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表。一橋大学国際公共政策大学院特任教授。川崎幸病院精神科顧問をしています
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なるほどポイント
- 高齢者がお金を使わないのは老後のためではない⁉
- 前頭葉の老化対策とは…
- 老化すると感情が揺さぶられなくなる
高齢者がお金を使わないのは老後のためではない⁉
以前から「老後2000万円問題」と言われています。そのためか老後に向けて貯蓄する人が多いです。ただそれだけが原因ではないです。老化するとそもそも新しいことをする意欲が薄れてしまいます
というより「新しいことをしないがために老化が進む」と著者は言います。老化には「脳の前頭葉」が関わっています。なので前頭葉をケアしてあげれば老化しにくくなります。本書ではその方法が多く紹介されています
新しいことをしたくないのは脳からすると至極当然で、それは高齢者に限らず若者とて同じです。皆さんも毎日同じような習慣ばかりを続けていますよね?なので習慣化の本が一時ブームになりました。老化対策のために小さな新しい習慣を取り入れていつまでも若々しくいましょう
前頭葉の老化対策とは…
老化対策で重要なのは「自分が頑固になっている事実」を受け止めることです。皆さんの周りの高齢者を思い浮かべて欲しいんですけど保守的というか頑固じゃないですか?先程も言いましたが老化=新しいことをやる意欲が少ないということです
簡単な思考トレーニングとして「TVに突っ込む」ことが有効だそうです。相手の言動に対して反応することで思考する練習になるようです。特に高齢者の場合は話す機会が少ないがために鬱っぽくなってしまう人も多いそうです。私は一人っ子なのでTVとおしゃべりするのは得意なのでその点では心配がないです
既述内容にも似ていますが「これまでどうだったか」より「これからどうするか」と考える方が老化しにくいそうです。人は過去の成功体験に縛られがちですが、これも頑固ということに変わりないです。そういえばアドラー心理学でも「これからどうするか」と考えるとあったと思います
老化すると感情が揺さぶられなくなる
私は職業柄、認知症の人を見る機会が多いです。良く思うのが認知症の方は「表情の変化がない」ということです。これは高齢者だからというより私でも感動したり驚くことが少なくなっています
アクションプランとしては感情を表に出すようにすることです。怒ってばかりじゃストレス溜まりますけど、笑ったり泣いたりとかは前頭葉にも良いようです。親の介護等で疲れてしまっている方は「1日1回相手を笑わせる」ことを目標にしてみてください。こうした小さな目標があるだけで、介護を頑張れた人をたくさん知っています
前頭葉の刺激方法は多くあるようですが「人間関係」が最も効率的だそうです。苦手な人にどうやって話しかけようとか、無口な部下とどう距離を縮めようかなど色々考えることがあるかと思います
いかがでしたでしょうか。今回は思考の老化の防ぎ方について解説してきました。とても読みやすい本なので是非読んでみてください。それでは。