今回は新井 紀子著のAI vs.教科書が読めない子どもたちについてです
本書はAIが世間的に過大評価されすぎているということについて紹介されています。10年も経てば我々の仕事のほとんどはAIがやれてしまうなんて聞いたことありませんか?
これはAIに人間が支配される映画が流行った副作用ではないかと思っています。ジョーズのせいで人々が必要以上にサメに恐怖するのと同じかなと思います。実際にサメの被害より、お風呂で溺れる人の方が圧倒的に多いそうですもんね
本書を読めばAIに関する誤解などが解けるかと思います。どんな原理でAIが動いているのか、何が出来て何が出来ないのか。勿論、AIは注目されていて世界的に注力されている分野です。シンギュラリティって何?AIは何でも出来ると思っている方は一度読んでみてください
関連する記事はこちらからどうぞ。今回もなるほどポイントを3つ紹介していきます。
なるほどポイント
- AIでは東大に受からない⁉
- siriはAIとは別物
- AIの思考の基本は三段論法
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AIでは東大に受からない⁉
AIに東大の過去問を学習させて合格させるだなんて夢のあるプロジェクトだなと見たときは思いました。研究チームが試行錯誤した結果、偏差値57くらいが限界とのことです。AIに過度な期待をしている人からすると噓でしょ⁉という結果だと思います
ただ偏差値57って普通に高いですよ(笑)MARCHくらいの私立大学は受かるレベルですから。東大生の頭脳と言わなくとも有名私立大学生レベルの頭脳と考えれば普通に優秀ですね。ちなみに私は学生の頃は偏差値58でした
ただAIについてある程度知識がある人からするとこの結果は仕方ないことなんです。まずAIにも得意分野と不得意な分野があるわけです。それは以下のようになっています
- 得意 :数学、歴史などの暗記系分野
- 不得意:現代文、社会などの読解系分野
このように教科ごとの明確な得意不得意があるのと、出題形式の変更にも対応が出来なくなります。センター試験等でも出題方法変更が数年に一度あったりします。こうなってくるとAIには手に負えなくなってくるわけです
本書タイトルにある通り「教科書の読めない子供」というのはまさに読解力がない子供というわけです。つまり読解力さえあればAIを使う側に回れるということです。じゃあ小さい頃から読書習慣を持たせれば良いんだとなりそうですが、そんなに単純じゃないそうです
本書によると読解力と読書習慣、読書の好き嫌いは相関しないという研究が紹介されていました。親からすると詰みの状態と思いたくなりますが、実はそうでもないと個人的に思います。おそらく目的を持った読解が出来ているかどうかがカギだと思います
siriはAIとは別物
私も以前誤解していましたが、siriをAIだと思っている人が少なくないです。siri=音声認識技術+情報検索技術なのでAIの要素はありません。ただ暇つぶしには楽しいですけどね。以下は私の子供とsiriとのやりとりです
- 子供「あいうえお」
- siri「かきくけこ」
- 子供「さしすせそ」
- siri「発声練習ですか?頑張ってください!」
君、siriに面倒くさがられてるやん!と爆笑でした。さも会話しているような感覚を味わえるので、一人暮らしのお年寄りなど活用の場は多そうです
最近流行りなのがchatGPTですね。質問などを投げかけるとsiriより高い精度で返してくれるそうです。基本無料ですので興味がある方は一度やってみてください。今回の発明は昔インターネットが発明されたくらいの衝撃です!とTVのコメンテーターが言ってました
AIの思考の基本は三段論法
三段論法と聞きなれない言葉が出てきましたがこんな感じです。A=BかつB=CよってA=Cと言えるというのが三段論法になります。この組み合わせを膨大な量記憶させるわけです。そういう点でディープラーニングって革命的技術だと思います
AIが認識できるのは式に当てはめられることなので、「意味」を理解することは出来ないです。式というのもAIがわかるように翻訳化しなければいけないので簡単なものではないです。なので世界の天才達はAIが理解できるよう数式の組み立てを競っているわけです
いかがでしたでしょうか?AIについてはchatGPTのようにどんどん進化してきています。本書は数年前の本ですが、AIに関する注意喚起として読むこともできます。またAIに負けない子育ての仕方なども紹介されているのでとても興味深かったです。10年後に残っている仕事、なくなっている仕事なども紹介されていますので気になった方は是非読んでみてください。それでは。
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