書評

【ビジネス】ベンチャーの作法 シンパパ薬剤師わたわたによる解説 3選

今回は高野秀敏著のベンチャーの作法「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術です

 前例のない仕事ばかり。慎重さよりスピード感が重要。人手がつねに足りていない。そんな事情を抱えた組織において、正論や他責思考は必要とされません。成長途上の組織には、その環境に見合った、仕事の進め方、成果の出し方、評価の手に入れ方があります。結果を出したいと思うのなら、そういった「作法」を知ることです

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なるほどポイント

  1. ベンチャーにとって現状維持は死と同じ
  2. 前職のやり方はいったん捨てる、そして…
  3. 何人辞めたよりも重要なことがある

ベンチャーにとって現状維持は死と同じ

 私はずっと大きな会社にいるのでスタートアップやベンチャーについては「超絶ブラック」という印象しかありません。皆さんはいかがでしょうか。ブラックかどうかは別として、本書でも求められる数字はかなり高いとされています

 実際には「130~150%の成長は当然」だそうです。というかそれくらいじゃないとやっていけないそうです。立ち止まっている暇はなく常に行動する必要があります。皆、仕事を抱えていて社長もせわしなく動いている。そんな中でうまくやっていくノウハウが本書には記されています

 今の日本では働き方改革で「ホワイト企業」であるということが就活生のポイントとされています。ただホワイトがゆえに「ぬるい」と感じてベンチャーに転職するケースが多いそうです。優秀な人ほど就職をステップアップとして捉えていて、「転職する前提」で考えているようです

前職のやり方はいったん捨てる、そして…

 ここからは新卒というより転職者向けの話になります。どうしても前職の大手企業のやり方から離れられずに「こうやった方が良い」と言ってしまう転職者が多いそうです。ベンチャー側からすると「それは大企業の資本力、看板があっての話」で片づけられることばかりだそうです。こうした転職者は評論家として扱われて評価されにくいそうです

 なのでベンチャーに転職したら「前職のやり方は一旦捨て一から教わる態度」が最適解のようです。これはベンチャー転職に限らずに部署移動でも応用できそうな教えですよね

 私も医療事務を採用したときに「前の職場ではこうでした」「そのやり方は効率的なんですか?」だの色々言われてイライラしたことがあるので同感です。教える側からすると今ある環境に最適化されたやり方を覚えて欲しいだけなので、とりあえず言われた通りにやって欲しいものです。その上で「こういうやり方もあります」と提案する方が周りも受け入れやすいと思います

何人辞めたよりも重要なことがある

 ベンチャーに限らずブラック企業のような離職率の高い職場では「何人辞めたより誰が辞めたが重要」だそうです。私もコロナが酷い時に薬剤師がどんどん辞めてった時がありました。また辞めるのか!ってなりましたけど案外なんとかなるものでした。それよりかは患者様からの信頼が厚くて、その人目当てで来局されてる人が辞めた時の方が大変だったと思います

 替えが利かない存在になろうということなんだと思います。そしてベンチャーでの離職は当たり前だから気にするなということでもあるのかなと思います。私も周りが離職すると自分も転職しようかなと思ったりしますが、たぶん必要とされているので今の会社にいます

 ちなみに本書でも「誰かが抜けても穴を埋めようとして組織は変わる」とあります。ブラック企業を辞められない理由に自分が辞めたら周りに迷惑がかかるという考えがあるようです。もしあなたがそんな職場にいるようであればすぐにやめましょう。心が擦り減る前に

 いかがでしたでしょうか。今回はベンチャーの作法を解説していきました。自分はベンチャーに興味ないしと思ったそこのあなたにこそ読んでもらいたいです。本書を読んでベンチャー流の仕事術やマインドを吸収してみてはいかがでしょうか。それでは。