今回は山崎元著の経済評論家の父から息子への手紙です
本書は既に永眠された著者が東大に合格した息子さんに宛てた手紙を書籍化したものになります。文章のタッチがまさに父から子へという感じで感慨深く読むことが出来ました。著者自身は2022年に食道癌が見つかって、2024年1月に永眠されました
本書の内容は経済に関する本質的な内容からお酒、交友関係、家族に関してなど幅広くアドバイスが書いてあります。手紙自体は18歳の息子さん宛てですが、大人の私が読んでも学ぶことが多かったです。悩みがある人に読んでもらいたい内容かなと思います。
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なるほどポイント
- 適度なリスクをとらないと大きなリターンは得られない
- サラリーマンが長者番付に載れない理由とは?
- 東大に受かると将来学歴を気にしなくて済む
適度なリスクをとらないと大きなリターンは得られない
本書で何度か語られる主張として「ノーリスク、ノーゲイン」があります。リスクを回避して安定を求めていると利益を搾取されてしまう資本主義の構造があるからです。ただ「資産を全て投資に回せ」などとは書いてなくて適度なリスクという表現にとどめています
投資におけるリスクでわかりやすいのが「下落中に買えるかどうか」だと思います。コロナ禍に株価は全世界で暴落しました。あの状況で買えた人は大きなリターンを得られていると思います。私は明日のマスクの心配をして投資にまで頭が回らなかったのを覚えています
そんな「普通の人なら買えないよね?」って状況で買ったりすることがリスクをとるということでしょう。私は株をやって10年くらいになりますが、リスクをとるのがどうも苦手です。著者がアクセルを踏むだろう場面でブレーキを踏んでしまうことが多かったです
こうした買場が来たら本書の事を思い出して買いにいこうと思います。ただ余剰の運転資金でやるのが原則です。「適度な」という表現にはそんなニュアンスが込められています
サラリーマンが長者番付に載れない理由とは?
本書でお金持ちの例として長者番付が引用されています。そこに名を連ねるのはイーロンマスク氏、ビルゲイツ氏などの言わずと知れた富豪です。そんな富豪達はサラリーマンではありません。一人だけマイクロソフトの社長がいますが、例外のような存在です
著者曰く、サラリーマンは先程のリスクをとるという点でリスクをとれていないのです。まぁ、私わたわたもサラリーマン薬剤師なので皆さんと同じですよ。サラリーマンが安定ですからね、ただ大きなリターンはほぼ狙えないそうです
ここで言う大きなリターンは年収2000万の雇われ社長より上のリターンのことをさしているようです。具体的には起業したり、ストックオプションがもらえるようなスタートアップに飛び込むようです。たしかに大手企業を蹴ってスタートアップに就職すると言ったら親から反対されそうですよね。これが適度なリスクなんだそうです
本書にはストックオプションをしっかりもらうための交渉方法なども書いてありますので気になった方は読んでみてください
東大に受かると将来学歴を気にしなくて済む
著者の息子さんは著者と同じく東大に合格しているようです。この手紙がなくてもちゃんと道を外さないで生きられそうですよね。私は東大に受かったことがないので東大卒のアドバンテージがよくわかっていません。ただ秀才が無理して東大に行くと苦労するという話は聞いたことがあります
本書では東大のメリットとして「学歴コンプレックスとほぼ無縁になる」ということが一つあると紹介されています。薬剤師でも国立組、慶應出身だと前評判が高くなる傾向がありますね
また「頭の良い人」「面白い人」と付き合うようにするとよいと何度も紹介されています。こうした人たちは人格者であり、将来成功する可能性が高いからです。自分で起業するには…ということであればこうした人脈を持っておく。そして友人が起業する際に100万円ほど出資させてもらうと事業が成功した時に莫大な利益が得られるのです
いかがでしたでしょうか。以上は本書のアドバイスの一部にすぎません。余命宣告された父からの我が子へのアドバイスという点で我々も感情移入しやすいと思います。気になった方は是非読んでみてください。私、父親いないので著者みたいな親父がいたらどんな人生になったのかなと少し考えました(笑)まぁ、たいして変わらないです。自分は自分なんで。それでは。