今回は昨年の12月に国税庁から発表された内容に関する私的見解を述べる記事です
仮想通貨投資は従来で言うと雑所得に区分され、損益通算や損益の繰り越しなどが出来なかったです。それが事業所得と認められれば可能性がぐーんと上がって、投資を始める人が増えて盛り上がるでしょう
正直まだ情報が少なく解釈としての段階にはなりますが、投資家の皆さんからすると嬉しい改革ですよね。せめて株式同様の税率に変更などにして欲しいものです。実際の国税庁のFAQはこちらからどうぞ
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なるほどポイント
- 事業所得の利点
- 事業所得と認める条件
- 実際に可能かどうか
事業所得の利点
実際に仮想通貨投資の事業所得が認められれば以下のような利点が考えられます
- 経費の枠が広がる
- 青色申告控除(65万円)が受けられる
- 親族に経費として給料が支払える
- マイナスになっても損益通算が行える
- 多くのマイナスになっても3年繰り越せる
私も仮想通貨の利益を雑所得で確定申告した経験がありますが、経費に出来るものが少なく控除が受けられない印象でした。その点で言うと青色控除の65万円はかなり大きいと思います
また仮想通貨で一番厄介なのがボラティリティの大きさです。暴騰する年もあれば暴落する年もある。2022年はまさに暴落の年で冬の時代が到来したと言われました。ここでのマイナスを3年も繰り越せたら大きいですよね。給与所得があればそこから損益通算という形で帳消しにも出来ますから、節税することもできます
事業所得と認める条件
今回の改正において「原則として雑所得という方針自体は変わらず、1年間に300万円を超える収入金額があり、暗号資産取引にかかわる帳簿書類の保存がある場合は、事業所得として区分される」と記載されています。なので条件としては現状だと以下の2点
- 1年間300万円の収支
- 取引に関わる帳簿書類の保管
1年間300万円の収支というのがよくわかりませんよね?これは利益ではなく取引で得たお金になります。例えば300万円分のBTCを購入して300万円で売却すれば、利益は0ですが収支は300万円になります
よって年間300万円収支というのは大きいハードルにはなりません。もちろん種銭が数万円だと厳しいかと思いますが…。帳簿書類は計算ソフトを使えば割と簡単に作れます。心配な方は税理士に相談すると良いでしょう
実際に可能かどうか
では実際に事業所得として認められるかどうかですが…かなり厳しいのではないかと考えています。先の条件を満たしたからと言って事業として認められない理由があります
それは「事業所得として認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判断する。」という通達があったからです。 つまり収入300万円超かつ帳簿保管といった条件以外にも、社会通念で事業として認められるかについての判断も必要になるのです
社会通念で事業として認められるかについては以下のような判断基準があります
- その取引に費した精神的あるいは肉体的労力の程度
- 人物、物的設備の有無
- 営利性、有償性の有無
- 継続性、反復性の有無
- 自己の危険と計算における企画遂行性の有無
この条件を見る限り仮想通貨の事業所得化は厳しそうです。ただ国税庁がFAQに対して前向きなコメントをしたことについては1歩前進かと思います。仮想通貨に関しては納税をしていない人が多いのではないかと勝手に思っています。なので規制を強化するのでなく、規制を緩めて納税しやすい環境を整えるべきではないかなとふと考えました
今回記事はネット情報をまとめたにすぎませんので、詳しくはお住いの税務署や税理士に問い合わせをしてみてください。それでは。